COMMENT:豊川悦司(秋山達也 役)

1000のバイオリンを聞きながら、福島第一原発を眺めていた。
防護服をまとって、スタッフ達が撮影の準備をしていた。
生き物の匂いのしない寒風に吹かれて、現実味のない事実の中で、僕と三浦君はシバイをした。
李監督は映画でしか出来ない映画を創っていた。
圧倒的な虚無を、希望の端くれで塗りつぶしていくような作業、
未だ福島の人々が強いられている作業、 ヒマラヤほどの消しゴムで、一思いに消すことができれば、
どんなにか楽だろう。この小さな映画に託した僕らの思いが、誰かの何かに少しでも届くなら、
台無しにした昨日を少しでも帳消しにできるなら、 この映画を創った意味があるだろう。
一人でも多くの目に触れることを願っています。